第1章.中山間地域の現状と発展要素

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    第1章.中山間地域の現状と発展要素

     

    (1)中山間地域・集落の現状

     

    高知県の多くの集落は、古来より、豊かな自然環境を背景として、農林水産業を中心とする産業活動や地域住民の営みの中で育まれてきました。


      しかしながら、近年の産業構造の大きな変化、近代化の流れの中で、多くの人が経済的豊かさを求めて、地方から都市へと人の移動が進んでいき、中山間地域にある集落では、多くの人が就職等の理由から地域を離れ、過疎化、高齢化が急速に進行しています。


      また、「自然は残っても、人は残らない」といった現象は、地域の個性を生み出す共同体としての営みだけでなく、「うちの集落は何もない」といった声に代表されるように人の心の自信さえも衰退化させようとしています。
     

    現在、山間部の集落では、高齢化率が50%を超えたところもあり、これまで集落が歩んできた歴史や文化を継承することすら難しい状況(限界集落)にまで陥っているところも少なくありません。 

     

     

     

    (2)集落自治・集落づくりの必要性 

     

    このような状況の中、私が集落調査・地域づくりの仕事を通じて感じることは、一見、何もない寂れた集落であっても、よくよく地域を調べてみると、これまで、人が住み続けてきた過程の中で、周辺の自然(棚田など人工の自然も含む)や第一次産業を中心としたものづくり、行事や祭りといった文化など「地域の個性や地域らしさ」がいまだ残っており、住民の方は、無意識的であっても自分の日々の暮らしを通じて、黙々とそれを守り、集落の維持に努めています。

     もっと言えば、条件不利地域と言われる中山間地域に住む人の生活様式は、畑仕事や地域の役など自分の仕事・役割がある、薬や化学物質に頼り過ぎない、年中必要な食料を加工・保存しているなど、強い生命力と自然と調和して生きる理恵と技を持っています。


      私から見れば、日本の中で最もたくましく生きてきたがゆえに培った「未来に受け継ぐべきモデル(見本)」がそこにあります。

    私たちは今こそ、中山間地域が持っている「人が自然の中で調和しながら生きる力」に学び、ただ地域を守るだけでなく、今後も持続可能な状態に伸ばしていかなくてはなりません。

    それが、地球の中で行き過ぎた都市化・経済化の各種問題を解決する方法であり、中山間地域に見習うことで、環境エネルギー問題(自然を守る・活かす)、食料問題(地産地消)、医療福祉問題(薬や施設に依存しすぎない)など、日本の社会の根本の部分が良くなっていくと確信しています。

    地域にとっては、市町村合併後に集落の維持・存続の有無または必要性が叫ばれている今だからこそ、大きな自治体規模になったデメリットに対処するため、また、自分自身の誇れる生き方の一つとして、集落単位の活性化(自分たちの生活をもっと良くする)の取り組みが必要なのです。
     


      具体的には、集落の自治機能(自らの問題として考える)を再構築した上で、「地域の個性や地域らしさ」を共通の財産として次の世代へと受け継いでいく運動を展開していく必要があります。そうすることにより、住民一人一人の地域に対する誇りや自信が培われ、地域の中で生活していく動機づけや、潤い・安らぎといった精神的な豊かさも高まっていくものと考えられます。 

     

     

     

    (3)中山間地域・集落の発展要素(地域の個性・らしさ)

     

    地域の個性や地域らしさを構成する要素としては、大まかに自然・産業・文化の3つが考えられます。

     

    |楼茲亮然

    まず第1の自然は、地域の景観、産業、文化など地域らしさを表す基本となるため、地域の個性と地域らしさを伸ばしていくためには、必然的に自然との調和を図っていかなければなりません。 

     

     

     

    地域の産業

    第2の産業については、本県は、山・川・海といった恵まれた自然環境の中で、第一次産業が地域の生活・文化に深く関わっており、将来にわたって持続発展させなければ、地域社会が成り立っていかないのが現状です。


      自然環境が地域らしさを表現する基本であれば、第一次産業は、食料の調達、国土・自然環境の保全、地域の伝統文化の伝承など、「地域で生きること、生活すること」の基本であり、特に農業は、国際的な人口・食料、環境・エネルギー問題とも関連しており、この点からも、農林水産業の持続的発展、農山漁村集落の振興を図っていかなければなりません。

     

     

     

    C楼茲諒顕

    第3の文化は、豊かな自然環境を背景として、農林水産業を中心とする産業活動や地域住民の営みの中で育まれてきたものです。具体的には、伝統的な祭りや行事、郷土食、景観や古い街並み、助け合いの精神といった地域にとって誇りとなる良き文化を評価し、積極的に保存していく必要があります。そして、地域文化の視点を教育はもちろん様々な場面で活用し、地域の魅力や文化の重要性を後世に語り伝えていく必要があります。

     

     

     

    (4)新たな地域の支え合いの仕組みづくりの必要性 

     

    これらの活動は、一住民だけで行うには限界があり、世代を越えて多くの住民の参画が必要です。また、過疎化・高齢化が極端に進んだ地域では、少ない人数で支え合う仕組み(組織化)や、外部の人との連携、自主的な活動に対する行政支援(人的・財政的支援)なども必要となってきます。


      また、中山間集落の維持に関する問題は、環境、産業、福祉、教育・文化など、幅広い分野にまたがる問題です。このため、各分野の団体や行政機関(各課)が互いに連携を図りながら推進していかなければなりません。

     

     

     

    続きは「第2章.今こそ地域を調べあるものを活かした生活づくりを」です。http://blog.kurashinogakkou.co.jp/?eid=1283527
     
     
     


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